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おぼろ豆腐

認知症と少子高齢化について考えた記録

(20)健康な内に老後のイメージを

父の死後すぐの頃、母は「何で先に行っちゃったんだろうと毎日思った」とよくこぼしていた。
その寂しさを埋めるかのように近所のお宅にお邪魔する。

一度菓子折を持参し伺った先は個人経営の雑貨屋さんだったのだが、やはり母がしょっちゅうお邪魔してはお茶を飲み話し込む。そして義理立てとばかりに何かしらの商品を買って帰るのだそうだ。
そのお店の方は長時間の滞在よりもむしろ、出されたお茶菓子を全て平らげてしまうことに対し糖尿病の心配をしてくださった。
これは総じて言えることなのだが、みんな本当に親切だった。心ではきっと迷惑がっていただろうが、そんなことはまるで口にしないどころか、逆に気遣ってくれる。
しかしその親切にもいつまでも甘えている訳にもいかない。少額とはいえ不必要な商品を頻繁に購入するのも積み重なればかなり手痛い。

迷惑をかけず、お金をあまりかけず、寂しさを紛らす場所。
それがデイサービスなわけだが、説得には時間を要した。
今となっては、母はデイサービスが楽しみに変わっている。
近所の顔馴染みがいたこともあったが、何より広いお風呂が一番よかったと言っている。

そこに至るまでには、一度ケアハウスの入居を強引に進め、それは絶対に嫌だという押し問答の末、妥協という形でデイサービスを始めたのだったが、これについてはまた別の機会に書きたいと思う。
いずれにせよ、私たちは心身共に健康な内に老後の過ごし方について予め考えておいた方がいい。
それは例えば施設に対する理解を持つことで思い込みをなくしたり、お金のかからない趣味を身につけたりといったことだ。