おぼろ豆腐

認知症と少子高齢化について考えた記録

(47)問題が渋滞している

父の告別式から二日目。
母を取り巻く状況は更に深刻であることに気づかされる。
三年前にヘルニアの手術をしてから、母はしきりに足がふらつくのだと口にしていた。
そのため外科へリハビリに通っていたのだが、病院まではやや距離があり、父の運転する車で通院していた。
その父が死に移動手段が無くなったのだ。
本人はバスに乗るから大丈夫だと言うのだが、ただでさえ乗り慣れていないのに、今の母の様子で果たして一人で乗り降りができるのだろうか。

更に新事実。
前の年に階段を降りていた際に足を滑らせ五段目から転落。手首の骨を折ったのだと言う。
外科のリハビリは手首の怪我の分も兼ねている。
骨折自体は軽度で済んだが、足腰が弱っていることの裏付けだ。

ここ数日は日中横になっていることが多いが、どうやらそれは父の生前からのことのようだ。
足腰が弱り、買い物や米研ぎなどの食事の支度、掃除は父に頼りきりだったらしい。
しかし不思議なことに食器洗いと洗濯干しは自分でできる。洗濯物を干すためにはそれを二階まで運ばねばならないのだからそこそこ大変なはずである。
もしかすると足腰だけの問題ではないかもしれない。どうやら気が向く家事とそうでない家事があるようだ。

そしてこれからの季節、北陸の冬、特に我が家のような隙間だらけの木造家屋は灯油ストーブが欠かせない。
トーブの数は居間、台所、寝室の三ヶ所。この灯油をポリタンクから給油する作業もまた父の仕事だった。
これも母は自分でできると言うが万が一こぼし、それを放置するようなことがあれば極めて危険だ。

そして畳み掛けるように悩ましい問題。
心療内科から処方されている睡眠導入剤
どうもこれを眠れないからと指定の用量以上に服用しているようなのだ。