おぼろ豆腐

認知症と少子高齢化について考えた記録

(51)手続きの山とお役所仕事

午後になり姉と母は父の生命保険受け取りの手続きへ。私は市役所へ。

まずは市民課。
葬祭費を私の口座に振り込んでもらうように書類を書く。
この時点で母の心配による精神的疲労が余程蓄積していたのであろう、このとき書いた口座番号は数字を一つ間違えており、後日やり直すことになる。

次に遺族年金受け取りのための書類をもらう。今の母が一人で市役所に赴き申請手続きをするなど到底考えられないので、姉が代理人となり申請をする。そのための委任状など書類が三点。
私も姉も、この一年でどれほど書面に記名捺印をしたことかわからない。
中には何故その書類を提出する必要があるのか、そちらの役所で管理している情報ではないのか、と疑問に思うことも少なくない。
しかしそんなことを一々問い合わせている暇があったら手を動かした方が早いので不条理を甘んじて受け入れるのだ。
マイナンバーがもっと活用されればこのような冗長な手続きも少しは改善するのだろうか。

土地と家屋は私が相続するため、固定資産税の引き落とし口座の変更が必要であると教えられる。
しかし父の預金口座が凍結されておりまだ名義変更できていないのだと言うと、口座振替手続きはその後でよいとのこと。
登記の名義変更は司法書士に依頼するのが普通だが、急がなくてもよい。調べると七万円以上もするようなので後回しだ。

一通り手続きを終え、席を立とうとするところを呼び止められる。
今年度の残りの三回分です、と固定資産税の払い込み用紙を渡される。
来月再来月分まで今お支払いできますよということだ。
ああそうですね。
名義変更まで時間がかかるし、その都度窓口に足を運ぶのは面倒ですもんね。
ご親切にどうも。

この後私は何度も福祉課に足を運んだり電話をしたりして介護の相談をすることになるのだが、彼らはいつもこちらから言ったこと以上のことはしない。
仮にAという相談に対し関連するBというサービスがあったとしても、気を回して紹介するといったことはしない。
Aの相談者にはあくまで直接的なAの解決策しか示さないのだ。
ところが税金の事となると先を見越して随分気が回るんですね。
皮肉の一つも言いたくなる。